アメリカはカリフォルニア州サンフランシスコ在住。四十うん歳。妻子あり。職業:ぷう。
10年ほどアメリカはサンフランシスコ近辺に住んでから日本に戻てきた帰国子女ならぬ帰国オヤジだったわけだが、やっぱりなんとなくなじまないので、またサンフランシスコに戻って来たしまった。しかし、アメリカに来てもアホなことはたくさんあるので、やっぱりグチは減らないわけ。そうういうこととか、そうでないこととか、適当に書き散らしたので、ヒマなら見ていっておくれ。
4月に入って、株価はやっとちょっとだけ上昇、NASDAQ 指数は20000台に戻るが、あいかわらず新聞には連日大手ハイテク企業のレイオフや人員削減のニュースばかり。就職活動を支援する民間団体の話では、就職に要する平均期間は、今や3ヶ月から6ヶ月だそうだ。失業手当もらっていたり、レイオフに伴い何ヶ月分もの給与をもらった人ならいいが、オレには何もない。あと3ヶ月も失業のままでは、やがて資金も底を打ち、ストリートピープルの仲間入りか?これはまずい。何でも日本ではまだエンジニア不足らしいので、日本に帰ることも真剣に考えよう。とりあえず何人かの知り合いにとりあえず声をかけ始める。
めずらしくアメリカの会社のリクルーターから、斡旋業者を経ずに直接コンタクトがあった。だが、話をきいてみると、東京駐在セールスエンジニアの仕事。うーん、やっぱりオレは日本に帰る運命にあるのか?でもさらに話をきいてみると、金回りはよさそうな会社だ。そうだな、どうせ日本に帰るんだったら、こういう金回りのいい会社に勤めるのもいいかと、一応電話面接を受ける。しかし、3回目の電話面接で、日本に帰ることを躊躇しているのがバレてしまい、そこでおしまい。
4月末に、2月から契約社員としてパートで働いてきた会社の上司と正社員として働けないか相談。その日はOKが出て、これで安心と思っていたが、数日して反故に。一部の人から反対があったらしい。また、後でわかったことだが、会社の資金繰りも悪化していたようだ。そして、正社員になるどころか、契約社員としての仕事もあと2週間で切り上げるように言われる。つまり、あと2週間で完全失業だ。つにに来るところまで来た。
5月上旬、契約社員でやっていたプロジェクトで、ある機能を持つソフトが必要となり、自作する前に既存の製品がないかをネット検索。どうせないと思っていたが、意外にもあった。その会社をのウェッブサイトをついでにみてみると、社員募集中とある。分野はオレの得意分野に近い。ただし、その会社は東海岸の会社。でもダメモトで、西海岸からリモートで(インターネットと電話を使っての自宅勤務のこと)働けないかとずうずうしく質問してみる。そしたらびっくり、何とサンフランシスコ支社を作ったばっかりなので、そちらでいかがでしょうとの返事。その日のうちに電話面接を3人から受け、翌週に会社訪問、5月中旬には入社が決定と、とんとん拍子。サンフランシスコ転居前の皮算用に比べると給料が悪いのが玉に疵だが、まあこのご時世だから仕方あるまい。それにしても、何でも言ってみるもんですね。
というわけで、黒坂家の危機はとりあえず去った。この間、いろいろな形で我々を応援してくれた方々に深く感謝する。
契約社員の仕事が終わり、新しい会社での仕事が始るまでの2週間の間に、Universal
Studios Hollywood に小家族旅行をし、お祝いすることにした。めでたしめでたし。
しかし、それでもやっぱり日本の方が断然高い。カリフォルニア州北部を大体カバーする、PG&Eという会社は、電力とガスの両方を一般家庭に供給するのだが、PG&Eからの我が家の今月の請求料金は、50ドルちょっと。1ドル120円で換算して6000円。これで、ガスと電気の両方だ。我が家が日本にいた頃は、ガス、電気の片方だけでも6000円は超えていた。だから高騰したと言っても、日本の半分程度。うーん、やっぱり日本のエネルギー価格は高いのだ。
逆にこの程度の電気料金で、節電を呼びかけてもなかなかきいてくれないだろうな。こちらではあいかわらず、閉店後に明かりをつけたままの店がよくある。(防犯上の理由らしい。)家庭内の暖房は、ガスの集中暖房が主流で、一部屋だけ暖めることは不可能で、全部屋に暖かい空気が流れるようになっている。こんな無茶苦茶、省エネルギーくそくらえなことがまだまかり通っていて、改まる気配はない。
ついでに怒っちゃうけど、アメリカ人はだいたいこういう世界のエネルギーの半分を使うような生活をしていることに対する自覚がまるでない。それどころか、地球温暖化反対だの、ブラジルは熱帯雨林を守れだの環境主義者がアメリカに多いのには驚いてしまう。あげくのはて、日本人は割り箸を使うからフィリピンの熱帯雨林の消滅に手を貸しているなどという。環境主義には賛成だし、割り箸は環境破壊に多少は寄与しているかもしれないれないけど、他国を批判する前に、アメリカ人自身の大量消費(浪費)、エネルギー使い放題な生活をまず改める努力をしてからいってほしいものだ。別に科学的な数値を知っているわけではないが、オレの勘では、アメリカのエネルギー価格を2倍にしてエネルギー消費を抑制するほうが、日本人に割り箸の使用を全面禁止するよりずっと地球環境に対する改善に貢献すると思うな。
あれ、話が横にそれてしまった。
なお、sonic.net は、サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡って反対側のマリン郡にある田舎の
ISP だが、サポートの質がいいのでここにした。大手は、まったく何もわかっていないサポート担当者がコンピューターの画面に移った支持を棒読みするだけのところが多いが、ここのサポートは、コンピューターのプロで、きちんと自分の言っていることを理解している。また、大手はサポートに電話しても話中だったり、スーパーマーケット音楽を10分以上(以前契約していた
earthlink.net では、30 分待たされたことがある!)聞かされたあげく、やっと出てきた奴がアホだったというところが多いようだ。
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