流浪オヤジ通信2002年7月号

ご挨拶

こんちは。オレ、黒坂。クロサカだよ。クロイタじゃないよ。クロサワでもないよ。間違えるなよ。

アメリカはカリフォルニア州サンフランシスコ在住。四十うん歳。妻子あり。職業:ソフトウェア・ヘンジニア。

10年ほどアメリカはサンフランシスコ近辺に住んでから日本に戻てきた帰国子女ならぬ帰国オヤジだったわけだが、やっぱりなんとなくなじまないので、またサンフランシスコに戻って来てしまった。しかし、アメリカに来てもアホなことはたくさんあるので、やっぱりグチは減らないわけ。そうういうこととか、そうでないこととか、適当に書き散らしたので、ヒマなら見ていっておくれ。

編集方針

画像満載、JavaScript 搭載、HTML最新技術使用のウェッブページが最近やたらと多くて、表示にやとても時間がかかり腹が立つ。 なーにが、ダイナミック HTML だっ、さっさと表示しやがれ。 Flash だとぉ、おととい来やがれ。 こういのに限って、表示に時間がかかった上中味がなかったりする。 流浪オヤジ通信は、サクサク動くテキスト中心のデザインを編集方針とする。 (誰だ、手の込んだのを作るのが面倒なだけだろうなんて言う奴は。バレたか。)

 
 

目次

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6月号欠号のお詫びと言い訳

いやー、6月号を落としてしまった。 オヤジ通信を楽しみにしている読者の方(そんなのいるのか?)には大変ご迷惑をおかけした。(ゴミがひとつ減ってよかったという声も・・・。) 深くお詫びしたい。(うそ。)

これにはワケがある。いろんなことが一度にやってきて急に忙しくなったのだ。

まず、会社を替わった。 いままでいた会社は、1年前入社時に100人近くいたのに、リストラと自主退職で一年後には40人と、半分以下になってしまい不安を感じていた。 おまけにもともと安かった給料を10%カットされたので、東京より物価の高いサンフランシスコでは暮らすのが不可能なレベルまで落ちてしまっていたのだ。

そこで、もう少し安定してもう少し条件のいい会社はないかと探していた。 この景気じゃ無理かと思っていたが、業界の一部で知名度もあり、10年近くの実績もある某中堅ソフトウェア会社が国際化エンジニア(という職業があるのだ)を探していたので応募したら、採用となった。 場所がシリコンバレーで、車で一時間弱かかるのが難点だが、 給料はちょっと上がり、肩書きもちょっとエラソーになったので、オレ的にはちょっと明るい。 安定性に関しては、優良企業と思われていた Enron や WorldCom も潰れる時代なのでなんとも言えない。新しい会社のの株価は年始から比べて今や何と5分の1だそうだ。入社後3週間の間だけでも40%減。う〜ん、ちょっと不安かも。

ま、とにかく、会社が替わったので、新しい会社の製品、業務を習ったり、事務処理があったりと、それだけでも忙しくなる。それに加えて忙しくなることが3つあった。

ひとつは、業界の某会議での論文(というほどのものではない)の発表が、前の会社を辞める直前に決まったということだ。 これは数ヶ月前に応募したもので、発表内容が採用されれば5月末前に通知が来ることになっていたのだが、通知がなかったので落とされたものと思っていた。 ところが会社を辞める直前に通知が来たのだ。 原稿の締め切りが通知の3週間後なのだが、その間に追加の調査をし、原稿を仕上げなければならなくなった。 それだけではなく、前の会社と新しい会社の両方を説得して、会議で発表することの承認を取り付ける必要が出てきた。

それに追い討ちをかけるように、オレのメインの愛機のパソコン、SONY の VAIO が新会社への入社前日に壊れてしまった。 故障箇所を突き止めようとしたり(結果は失敗)、ハードディスクの内容を違うパソコンに吸い出したり、SONY とやりとりしたりで時間を食うことになった。 結局のところ、SONY は、日本で買ったパソコンは日本でしか直してくれないということで、入ったばかりの会社の上司がたまたま出張で来ていたので、頼み込んで持っていってらい、修理は完了したのだが、日本からアメリカに持って帰ってくれる人がみつからず、VAIO はまだ日本にある。

忙しくなった最後の原因は、せっかく会社を替わるので、前の会社を辞めた後に5日かけて家族旅行をしたということだ。 目的地は去年と同じく Universal Studios (J のつかないほう)だが、今回は車で、海岸線沿いを3日かけてキャンプしながら南下した。この話は来月号にでも。

という具合で、忙しいことが重なったので欠号したのだ。文句あるか!

CATV とサッカー

ウチは、放送アンテナのある方向にビルがあるせいか、地上波の写りがかなり悪い。 日本語放送を時々やるチャンネルなど、画像はほとんど映らず、音声のみだ。 子供番組をよくやる半公共放送(視聴者からの寄付金で運営)は、写るには写るが、時々画面んが乱れたりゴーストが起きたりといった具合で、子供の目にも悪そうだ。 と思っていた所に、CATV のセールのチラシが来た。CNN とかは入らないが、地上波は全部中継してくれる構成だと、月20ドル以下で、設置料とかもタダというので、入ることにした。

設置工事が終わった日に仕事から帰って見ると、おお、これはきれいだ。 写りがいい。 地上波だけ、と聞いていたが、実際には料理の鉄人とかを放送している Food Network とか、Discovery Channel も入ってくれてうれしい。 一日数時間だが日本語放送の入る26チャンネルもばっちしだ。

平日の日本語放送は、朝6時半からのフジテレビのニュースと夜11時半からのNHKニュースがある。 NHKの嫌いなオレとしては、フジテレビのニュースを見るのだが、何だコリャ? 30分のニュースの時間の大半がW杯(この表記もすごい)のことばっかり。 日本の試合のある日もない日もこんな具合だ。 おいおい、日本はいつからこんなにサッカーに熱心な国になってしまったんだ? ニュースによると、大阪はすごいことになっていたそうで、道頓堀に飛び込む若者が何百人? よく死者も重症の怪我人も出なかったもんだ。

日本のような狂乱はないが、今年はアメリカでもサッカーへの関心が今まで出一番高まったそうだ。 アメリカでは一度W杯行われており、その時を機会にサッカーも認知されるスポーツになると言われていたが、結局そうはならずに、ずっと無視されてきた。 しかし今年は、上位8位まで(あれ、4位だったっけ?)残ったので、いつもはW杯なんて無視するニュースも今年はちゃんと取り上げていた。 珍しいことだ。

じっぴき問題

前にも書いたようにオレのガキはサンフランシスコで補習校というのに通っている。 それで、日本の教科書を使うわけだが、教科書だけみると日本もずいぶん変わったもんだ。 まず体裁だが、なんだか昔に比べてひとまわり大きくなり、全ページカラーだ。 オレは、国語の教科書なんて皆、「さいた さいた さくらが さいた」で始まると信じていたが、違っていて、ショック。

しかし、国語の教科書って、不思議だね。 ひらがなは表音文字だから、ほとんどそれぞれの文字の発音通りでいいと思いきや、 ご存知のように「は」と「へ」と「う」はちょっと例外。 これを教科書はどう説明するのだろうと思って読んでみたのだが、ほとんど説明がない。 つまり、この説明は教師の力量に完全に依存しているということだ。 うまい教師にあたればいいが、へたな教師に当たるとわけのわからん説明をされて、ちっともわからないで一生を過ごすことになるわけで、うーん、これは恐ろしい。

で、最近国語のテストがあったのだが、その結果をみてびっくり。 別に0点だったからびっくりしたわけではない。 ぶたさんが10匹いる絵を見せられて、ぶたは何匹いますか、という問題なのだが、「じゅっぴき」と書いたら×となったのだ。 「じっぴき」がとかかないといけないと言われたそうだ。 「じっぴき」だって?何だそりゃ?何かの間違いじゃないか? と妻が先生に尋ねると、最近「そう変わった」のだという。 おいおい、10匹の読み方なんて、そんなに急に変わるのか? オレの周りで「じっぴき」なんて発音するのはきいたことないぞ。 「じっぴき」なんて、まるで江戸弁みてぇじゃねぇかぁ。 ってことは、あれだ、江戸の下町コトバを標準語にしようってことか?

と思って、ネット検索をしてみたが、どうもよくわからない。 数年前から変わったらしいことはわかったが、それ経過がわからない。 文部科学省ホームページに行っても何も書いてなかった。 (国語審議会の議事録集はあったが、検索機能も索引もない現システムでは、 議事録を全部を読まなければならず、よっぽどヒマな人でないと探せない。) よくわからないので、北カリフォルニアの日本人用某メーリングリストでたずねてみたところ、わざわざ文部科学省に電話できいていただいた方がいた。 その方によると、役人の答えは:

「思われます」なんて、主体性のない、いかにも責任逃れの役人的発言だが、それはさておき、この説明には、二つの重要な点が欠けている。
  1. そもそも常用漢字表は、ほとんどの人が発音している「じゅっぴき」を認めないのか。
  2. いままで「じゅっぴき」と教えていたのをどうして急に常用漢字表に厳格に従うように変えたのか。

ところでこのじっぴき問題をネット検索して改めて驚いたのは、日本人の、官に逆らわない素直さである。検索でひっかかったのは、一般の人たちのページばかりなのだが、どれも、 十匹のかな表記が「じゅっぴき」から「じっぴき」になったことを事実として受け入れるだけで、疑問を呈している人はいなかった。 「じゅっぴき」と発音する人の方が多いと書く人はいても、「テストの時は『じっぴき』と書きましょう」と、世渡りのうまい発言ばかり。 オレみたいに、ぶつぶつ書いている人はいなかった。 やっぱりオレみたいなのは、日本住みにくいのね。

このじっぴき問題、実は二つの問題から成り立っていると思う。 まず、ほとんどの人の行っている発音を、今までの発音は間違い!、これからはこう、と勝手に変えようとする役所の態度。 それから、テストの正解はひとつしか認めない、という考え方だ。 教えている先生本人だって今まで「じゅっぴき」と発音してきたはずで、そういう発音が大多数であることを知っているのに、 親からきいた発音にしたがって正しく「じゅっぴき」と表音した生徒の答案に×を入れるのである。

こんな変なことがまかり通っていて、しかも誰も抗議しない日本、とってもいや。 というぼやきを先ほどのメーリングリストに書いたところ、 やっぱりおかしい、抗議しようという人たちが何人か現れたので、 とりあえずこの問題を議論するためのメーリングリストをひとつ作ってみた。 興味のある方は、 jyuppiki-subscribe@egroups.co.jpまで空のメールを送って、ぜひ参加してほしい。

Windows/PC のトラブルにどうかお力を!追加情報

5月号の記事でご協力をお願いしたオレの PC 不調に関してだが、 Win ME 機不調の原因は Windows とかのソフトの問題ではなく、 ハードウェアにあることが判明した。

まず、2枚あるメモリーカードの1枚を抜いて起動すると、 Windows の挙動が変わり、今までハングしていたところでは ハングしなくなった。 しかし、使っているうちに違う所でハングする。

次に、MemTest という、OS なしで、BIOS から直接起動するメモリーのテストプログラムを走らせてみたと。 すると、ある時点で必ずハングすることがわかった。 この時点で、OS とは関係のない、純粋にハードの問題ということがわかった。

メモリーカードが悪いのかと思い、問題なく動いている別のPCのメモリーカード を変わりに入れて実験しても結果は同じ。 逆にWin ME機のメモリーカードを別のPCに入れて MemTest を走らせると 正常終了する。 このことから、この問題は純粋にハードウェアの問題であり、しかもメモリーカード以外、つまりマザーボードのどこかにあると思われる。

この先は手に負えそうもないので、修理屋を探してみてもらうつもりだ。 しかし、最近の PC は(Mac も)とてつもなく安いので、直すより新品を買うべきかもしれない。

編集後記

サンフランシスコは先々週と先週末は珍しく暑くなり、気温が30度を超えたが、今週末はまた寒いいつもの夏に戻ってしまった。 夏バテにならくていいのだが、しかしここまで寒いとビールのうまい日本の夏がなつかしい!


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(C) 2002 KUROSAKA Teruhiko