帰国オヤジ通信改メ

流浪オヤジ通信2001年8月号

ご挨拶

こんちは。オレ、黒坂。クロサカだよ。クロイタじゃないよ。クロサワでもないよ。間違えるなよ。

アメリカはカリフォルニア州サンフランシスコ在住。四十うん歳。妻子あり。職業:ソフトウェア・ヘンジニア。

10年ほどアメリカはサンフランシスコ近辺に住んでから日本に戻てきた帰国子女ならぬ帰国オヤジだったわけだが、やっぱりなんとなくなじまないので、またサンフランシスコに戻って来てしまった。しかし、アメリカに来てもアホなことはたくさんあるので、やっぱりグチは減らないわけ。そうういうこととか、そうでないこととか、適当に書き散らしたので、ヒマなら見ていっておくれ。

編集方針

画像満載、JavaScript 搭載、HTML最新技術使用のウェッブページが最近やたらと多くて、表示にやとても時間がかかり腹が立つ。 なーにが、ダイナミック HTML だっ、さっさと表示しやがれ。 Flash だとぉ、おととい来やがれ。 こういのに限って、表示に時間がかかった上中味がなかったりする。 流浪オヤジ通信は、サクサク動くテキスト中心のデザインを編集方針とする。 (誰だ、手の込んだのを作るのが面倒なだけだろうなんて言う奴は。バレたか。)

 
 

目次

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サンフランシスコの夏ってこんなに寒かったっけ?

これを書いているのは7月後半だが、今、セーターを着ている。 日本の皆さんなら「えっ?」と思うだろう。 サンフランシスコの夏はもともと寒いのだが、今年は例年よりも寒いような気がする。 5月初めにとっても暑い、30度を超える日があったので、このまま暑くなるのかと思っていたが、それで終わってしまった。 サンフランシスコは日差しは強いので、車の中にいると暑くなる。 しかし外に出ると空気が冷たい。 日向ではTシャツ一枚、日陰に入るとコートがほしいという、何着ていいのかわからない気候だ。 オレは、電車とバスとで通勤しているが、このバスが全くもってスケジュール通りに来ないバスで、15分ぐらい待たされるのは常だ。 夕方は、太平洋からの冷たい風が吹くので、このバスを待っていると、セーターを着ていても体が震えてしまう。

6月末頃、日本は 36℃の猛暑とかいうニュースを asahi.com で見て、 「ああ今年は夏バテしなくてすむ。サンフランシスコに来てよかった」、 と思っていたのだが、こうまで寒いとちょっといやになってきた。 夏はやっぱり、カーっと暑くなって、冷たいビールをグーっと飲むのがいい、 なんて勝手なことを思い始めた。 うーっ、寒いよー、ぶるぶる。
 

アメリカのキャンプはお手軽だ

サンフランシスコ、夏は寒いが、5月末頃は暑かった。 暑い陽気にさそわれて街をうろうろしていると、子供が突然キャンプに行きたいと言い出し〈何故言い出したかは未だに不明)、とりあえずテントを衝動買いしてしまった。 買ったからには使わなきゃ損なので、急遽キャンプに行くことになった。

しかし使用料の安い州立公園のキャンプ場は、どこも7・8月の週末は予約で一杯。 何とか取れたのが、サンフランシスコから北へ1時間半ぐらいいったところにある Sonoma Coast State Beachだ。

でとりあえず必要そうなもんを車に積んで出発。 途中で寄り道しながら行っても2時間ちょっとでついた。 入り口でレインジャー(州立公園の職員をこう呼ぶ)に予約してある旨をつげると、 車で空いている場所を探して来て、気に入った所の番号を教えてください、という。 キャンプ場の中を一周して、適度にトイレに近く(ガキがいるので)、 隣にあまり大家族のいない場所を探して、そこの番号を控え、入り口に戻り、 レインジャーに届けて、はいおしまい。 今日の宿の確保は終わった。

アメリカのキャンプは実に楽ちんだ。何しろテントを張る所に個別に駐車スペースがある。 車をそこに泊めて、トランクからテントを出して、テント張っておしまい。 駐車場から長い距離を歩いて荷物運ぶ必要がない。
車横付けキャンプで楽ちん

テントサイト4つにひとつぐらいの割合で水道の蛇口があるので、 日本のように食器洗いで並ぶこともない。 (もっとも蛇口の所での食器洗いは禁止で、各自水をタンクに汲んで行き、各自の サイトで洗うことになっている。) テントサイトは広く、複数のテントを張ることも可能。 テントサイト同士は適度に離れているので、 隣のテントの物音がやかましくて眠れない、ということはまずない。 (もっともオレ達は、2回目のキャンプで、 隣の家族のオヤジがいつも家族に大声で怒鳴り続ける精神不安定オヤジで、 こっちまで心休まらない経験をした。) テントサイトごとに、バーベキュー用コンロと、テーブルがあり、 燃料さえ持っていけばバーベキューをすることができる。 さらにさらに、立派な水洗トイレもあれば、シャワーまである。

これでお値段は、一泊サイトあたり14ドル。安い。 (もっともこんなことに使うので、州税は高いわけだが。) なるほど、これでは、キャンプが大変人気なわけだ。 というわけで、我が家は今年中に10回キャンプに行くという壮大な目標を立てたのであった。

注:車で中まで行けるキャンプ場はアメリカならではと思っていたが、 日本でも「オートキャンプ」という名前であるらしいことが、これを書いた後わかった。 不勉強で恥ずかしい。
 

今月のバカヤロー・・・discount-hotels.com

6月号の「LA 家族旅行」にも書いたが、 5月に我が家は南カリフォルニアへの家族旅行に行った。 最初の2泊は、ユニバーサルスタヂオの近くがいいと思い、 有名なウェッブ旅行予約サイトである Travelocityと同じ会社(あるいはその子会社)Hotel Reservation Network (以下 HRN)が運営するらしい、 www.discount-hotels.com というサイトで安いところをさがした。 (注:8月13日現在、このサイトは消滅している。オレの思い違いか? HRN の運営する公式サイトは、www.hoteldiscounts.com となっている。)

その結果、Nite Inn というところに決め、予約した。 「First class hotel」(一流ホテル)、「with modern furnishings and amenities that travellers have to come to expect」(旅行者が期待する現代的家具と 備品をそなえ)、とあり、ユニバーサルスタヂオには歩いて行けるとある。 備品リストによると、目覚まし付きラジオ、机、ヘアドライヤー、アイロン、 電子レンジがあることになっている。 宿泊料金は、1泊目と2泊目の値段が若干違うのだが、一泊100ドル前後だ。 これに、HRN に対する予約手配料金と税金が上乗せされ、全部で240ドルを クレジットカードで前払いした。

ところが行ってみてびっくり。 外観からしてどうみても個人経営の小さなモーテルだ。 あまりに小さいので、最初、行き過ぎてしまった。 実際、「MOTEL」と看板が出ている。 どうみても「First class hotel」ではない。 受け付けには、ホテル宿泊者以外が駐車したら罰金がどうのこうのとせこいことが書いてあり、とても悪い予感。 鍵を渡され、部屋に入るや、予感が的中したことに気づく。
木の上に Motel のサイン 殺風景な部屋の中

まず、絨毯が何となくしめっぽくて、古そう。 場末のモーテルといった感じ。 まともな備品は、冷蔵庫ぐらいなもんで、机も食卓もない。 映りの悪いテレビと椅子がなぜか1脚だけある。 クローゼットは扉がなく剥き出しだし、ベッドサイドには安っぽい電話器があるだけ で、目覚ましラジオなんてない。 電子レンジなんてどこ探してもないし、ヘアドライヤーもない。 要するに何とか夜露を凌ぐことができる最低のものしかないのだ。 おい、これで、100ドルはないだろ。

さっそく HRN に電話して事情を話し、キャンセル料金(50ドル)免除で、 予約をキャンセルしてほしいと伝えるが、2泊目はキャンセルできるが、 1泊目はだめだという。粘ってみてもだめそうなので、あきらめる。 ホテルのマネージャーにも、予定を変更して、明日出発する旨伝えると、 70ドルでいいからもう一泊いかが、とか行って来た。なんだ、直接 交渉したほうが、HRN 通すより安いじゃないか。こんなんで、HRN はよく サービス料金を上乗せするもんだ。ずうずうしいったらない。 70ドルでも泊りたくないので、この申し出は断る。 高速道路の車の音と、安いベッドでよく眠れず。

そして翌朝。 この料金には、「continental breakfast」がつくことになっている。 オレの40年以上生きてきた経験では、continental breakfast とは通常、 コーヒーまたは紅茶と、そこそこの品質のパン及び果物、そして場合によっては チーズがつくことになっていて、それは食堂で他の宿泊者と一緒に食べるものだ。 だが、実は昨日から気になっていたのだが、食堂らしきものがこのモーテルには見当たらない。 朝食はどこなの、とフロントに聞くと、これだといって指差した先にあるのは、 今まで生きてきて見た中で世界最小のマフィンと、コーヒーメーカー。 どうやら、これを持って行って、部屋で食べろということらしい。 食卓もない部屋に持って行き、食べてみるが、このマフィン、とてもまずい。 結局オレ達は、マフィンとコーヒーを途中で放棄し、さっさとチェックアウト。 ユニバーサルスタヂオ内のレストランで朝食を食べるはめになった。
極小・極まずマフィン(右)
メガネケース(左)と比較してください

旅行後クレジットカード会社に確認したところ、HRN からは電話での約束通り1泊分の料金がクレジットカードの口座に戻されていた。 しかし、ホテルの記述と実態があまりに違い、たとえ1泊分の料金でも払いたくないし、こんなお粗末な紹介をしておいて、宿泊手配料など払いたくないので、HRN に抗議の手紙を書き、宿代半額の払い戻しを要求した。 (予約手配料の払い戻しも要求するべきだったが、忘れてしまった。) クレジットカード会社にも電話で、HRN への支払い停止を依頼した。 それからもう2ヶ月以上経つが、HRN はオレの手紙にも、クレジットカード会社 からのクレーム照会に対しても返事をよこして来ていない。

よく考えると、書いてある内容と違うホテルを紹介しておいて、予約手配料を取って知らんふりとは、盗人たけだけしい。 おまけに客の苦情の手紙に返事も寄越さない。 こんな会社はさっさとつぶれてしまえ。
 

トラブルその後

6月号に書いたヘルスネットの件は、やっと決着。 州の健康保険の管轄部署の苦情受付ウェブで苦情を書いたのがきいたようで、 何と、契約がもともとなかったことにして、払った額全額を返済してくれた。 恐らく、一部返還というのが社内の手続き上できないので、こうなったのだと思うが、 こちらの要求(半月分返却)よりもいい内容なので、とても満足。 州政府なんて何もしてくれないだろうと思っていたが、結構きちんと対応してくれたのにはびっくりだ。だめもとでもいろいろやってみるもんだ。

一方、先月号で書いた中古車屋 Hero'es の件は、相手から未だに音沙汰なし。 いよいよ窓の調子が悪くなって、ほとんどあけられなくなったので、 中古車屋の返事を待たずに修理をしたところ、226.53 ドルかかった。 くやしいので、修理代を出せという手紙を書いて2週間前に送ったが、 予想はしていたものの、やはり返事なし。まったくふざけた奴らだ。

トラブル星取表
相手 トラブル内容 現状 勝負
ヘルスネット 相手は30日分追加支払いを請求。 オレは、15日分返還を主張。(経過詳細) 州健康管理局に苦情を申し立てたところ相手の態度が軟化。 主張したより多い全額の払い戻しがあり、満足に終了。 ☆☆
ヒーローズ 納車の日に動かなかったパワーウィンドーの修理を要求するも 相手から正式な返事なし。(経過詳細) しかたないので自分で修理に出して、修理代を請求中。 オレの出した手紙はすべて無視される。
United Visa
(First USA Bank)
ユナイテッド航空提携クレジットカードの申請を毎回違う理由で3回拒否される。(詳細は来月号掲載予定) ダメ押しで、抗議の手紙を書いたら、カードが送られてきた。しかし、引越しに伴う主要な買い物は終わった後なので、あまりうれしくない。 ☆/2
HRN
(discount-hotels.com)
同サービスを通じて予約、前払いしたホテルの設備が記載内容にまるで満たない。宿泊費半額の払い戻しを請求。(詳細前述) クレジットカード会社に支払い停止を指示。2ヶ月以上経つが相手から返事がない。



















編集後記

Instant Messenger の接続(対話?)相手は、まだ募集中。 ただ試してみたいだけで、長々とやりとりするつもりはないので、是非よろしくー。

「帰国オヤジ通信」時代に時々書いていた和製間違い英語の数々だが、 なんと専用のサイトが存在することがわかった。 その名もミススペルしたwww.engrish.com。 うーん、なかなか機知に富んだネーミングだ。

参議院選挙は、やはり予想していた通り、自民党が票を伸ばしてしまった。 そして予想通り、小泉はヤスクニ参拝を強行した。 しかし毎年この時期になると、ヤスクニで揉める。 他にやるべき重大案件があるというのに、 こんなどうでもいいことにエネルギーを使うのはそろそろやめたらどうだろう?

田中外相は、外相で、また子供のようなことをやっている。 官僚を律するのはいいことだが、ただのきかんぼうのような行動はやめてほしい。

一方アメリカ、特にシリコンバレー、ハイテク関連は、相変わらず不況で、 レイオフのニュースばかり。 いつになったら明るい兆しが出てくるのだろう。 と、いつにも増して憂鬱なオレであった。


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(C) 2001 KUROSAKA Teruhiko